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建築系職人2.0

町の便利なクロス屋さん公式ブログ。バージョンアップし続ける職人になるため道中記

第8回【基礎知識】クロスの汚れの正体は

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 古いクロスに、茶色い汚れがついていたりします。

 じつはこれは、クロスの糊の痕(あと)です。

 施工の段階で、糊のついたクロスの裏地が、仕上がったクロスにベチョっとついてしまうのです。

 糊については、職人はあまり関心を持っていないように思います。「スポンジで拭けばいいよ」と、軽く思っていたりします。

 スポンジで拭いて、糊が落ちれば苦労しません。意外とむずかしく手間なのです。

 糊が取れたかどうかたしかめるには、手でさわればわかります。ヌルっとしてたらまだついています。

 ほとんどの職人は、手でさわりません。スポンジで拭いたという行動意識が、自分を納得させるのです。それで、スポンジで拭いただけで終わるのです。

 そもそも、なぜ糊をつけてしまうのかというと、職人は施工で必死なのです。とにかく仕上げて帰る…の思いです。こういう職人がほとんどです。

 写真は、じつは吹抜けの天井付近です。ですから、よけいでも施工に必死になり、糊をつけないように仕上げる気持ちが希薄になります。

 職人の技術の限界は、こういうところでわかります。

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●くっきり手形の跡が・・・!

 また、工期の問題があります。ほとんどの現場は、工期がありません。なぜないのかというと、大工工事の部材の発注漏れやミスによる遅延や、むずかしい造りによる施工の遅れです。

 それらのシワ寄せは、クロス屋に降りかかります。それで、急いで貼ることになり、必死になるというわけです。

 糊拭き取りの問題は、わたしはつねに考えていました。それで、ついに解決したのです。

 仕上がったクロスと枠に、95%は糊をつけずに施工する方法です。それについては、いずれお話したいと思います。



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 次回の更新日は12/7です
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第7回【コラム】職人のセンス

 自宅のバスルームの蛇口から水漏れがあったので、大家さんにお願いしてなおしてもらいました。

 現場に来たのは年配のひとでした。なおしたというので確認してみると、なんとシャワーヘッドだけの交換をしていたのです。

 水漏れは蛇口のひねるところの問題なのですが、そこはつつかずなのです。案の定、水漏れはなおっていません。

 その年配のひとは、多少器用になんでもできるひとのようで、職人ではないことがわかります。

 連絡を任せたウチの者の言いかたも悪いのです。「シャワーからポタポタ水が漏れます」と、そのままを伝えていたのです。ですから、シャワーヘッドだけを交換したのです。

 もっとも、本職なら、シャワーヘッドの問題ではないことが、すぐにわかるはずですが…。ちなみに、わたしもすぐにわかりました。

 もう一回なおしに来てもらいました。するとなんと、またシャワーヘッドだけを交換していたのです。

 また大家さんに事情を説明すると、やっとプロが来てくれたのです。それで、本体ごと取り換えてくれて、ちゃんとなおったというわけです。

 ウチの者によると、わたしが言ったように本体の問題であると言い、テキパキと作業して、さらに、浴室内の壁が浮いていた部分をついでになおしてくれたのです。

 ウチの者も関心していました。しかし、その仕上げを見るかぎり、わたしからすれば「中の下」の職人です。

 なぜなら、浴室内の壁はパネルで、そのスキマを防水のコーキングをしてくれてたのですが、古いコーキングを残したまま上からコーキングをしていたのです。

 さらに、蛇口使用の説明シールが、若干斜めに貼られていたのです。まあ、どちらも機能を果たしているので、問題はないのですが。

 そういうことを気にする人と気にしない人がいます。じつは、このちがいがセンスです。

 「コーキングは打っておけばいい」「シールは貼っておけばいい」という感覚は、素人のはずです。職人はプロですから、さらに上の感覚であるべきです。

 もっとも、コーキングはサービス工事なので、適当でいいかもしれません。とはいえ、古いコーキングのカットは、浴室内だけにかんたんにできるはずですが…。

 おそらくこの職人は、たとえ工賃をもらっても、同様の仕事をするはずです。「タダだから、古いコーキングをカットしなかった」なんて打算的なことを考えるなら、初めからサービス工事などしないはずだからです。

 センスがあると、そういうところまで気にして、きちんとするようになります。細かいところまで気くばりできれば、気の利いたモノになり、その積み重ねが、つねに完成度の高い仕上げになるわけです。

 このセンスだけは、生まれ持ってのものといっていいです。もちろん、センスは磨くことができるのですが、そもそも職人は、自分は最高の技術力を持つ職人だと思っています。

 そういう職人は、だいたいパチスロによく行きます。そのような人間に、「自分磨き」ができるとは思えません。「もっとうまくなりたい」と思う職人こそ、つねによくしようと考えて仕事をしています。

 ちなみに、パチスロに行くのは仕事の反動からです。仕事に対する精神力が一杯一杯の証拠なのです。「もっとうまくなりたい」と思う心は、じつはのびしろがあるということなのです。

 ただでさえストレスだらけの仕事を、もっとよくしようと努力をする…こういうことができる人間が、センスがあるということかもしれませんね。俗にいう、「意識高い系」でしょうか。

 ですから、生まれ持ってのセンスが、そのまま職人としてのポテンシャルというわけです。上手い職人は上手いまま、下手な職人は下手なまま…というわけです。

 わたしも、上手い職人をめざして、日々精進しているつもりです。意識高い系を意識しています笑


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 次回の更新日は11/28です
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第6回【基礎知識】汚れ防止クロスはなぜブクブクになるか

 汚れ防止クロスがきらいな職人はいると思います。貼るとすぐに、ブクブクにふくらむのです。

 原因はかんたんです。それは、「うませ時間」「オープンタイム」が足らないからです。「うませ」と「オープン」は同じ意味です。

 ちなみに、「うませ」とは内包という意味だと思います。糊をクロスに内包させるということです。つまり、糊をクロス(裏地)にしみ込ませるのです。

 しみ込ませるとは、糊(水分)をクロスの裏地に満たせるということです。かんたんにいうと、湿らせるのです。

 「うませ」「オープンタイム」の目安の時間というのは、糊の中の水分による浸透時間と考えられます。要は湿らせ時間なのです。

 糊に含まれる水分により、クロスは伸びます。洗濯物も、濡れているときは伸びますよね。これが重要なのです。その状態が施工のタイミングというわけです。

 そして、ブクブクにふくらむ理由は、まだクロスが伸びきってない状態で施工をするためです。

 クロスを天井や壁に貼りつけると、その場に固定されます。

 一方、クロスはまだ伸びきっていないので、伸びようとしています。伸びた部分が、行き場を失い縦方向に逃げる・・・とうわけです。それがブクブクふくらむという現象になります。

 では、なぜ汚れ防止クロスだけそういう現象こ起こるかといいますと、汚れ防止は一般のビニールクロスの上に、さらにビニールのフィルムで覆われていて硬いのです。

 硬いとはクロスの平面強度の高さです。平面強度とは、平面になろうとする力です。その力が強いので、接着剤の接着能力に勝るというわけです。

 一方の一般ビニールクロスはまだ軟らかく、それこそ柔軟です。平面強度は低く、柔軟なためなんとか接着できていると考えられます。

 どのみち、「うませ時間」「オープンタイム」はビニールクロスにも必要なのです。

 以上が、汚れ防止クロスと一般ビニールクロスの構造をもとに、分析した結果です。

 むかし、ブクブクの現象を「ガスが出る」と真顔で答える職人がいました。「なんのガス?」と聞くと答えられませんでした。

 下地相手はいつものプラスターボードなのに、ガスなどあるはずもありません。

 しかし、だれかが「ガスだ」と言うと、同調してしまうものですね。

 ここに、思考の限界を感じます。自分で考えるのをやめるのです。思考力がないと、自分の知識のみで説明しようとするのです。

 クロス貼りもふくむ建築の工事は、すべては物理で成り立っています。

 もしガスが出るなら、なんのガスなのか、なぜ汚れ防止クロスだけなのか、なぜ一般ビニールクロスは出ないのか。それを比較して考えるべきです。

 うませ時間さえあれば、いわくガスは出ません。なぜ、うませ時間は必要なのか。その理由はなんなのか。クロスの構造もふくめて考えないといけないのです。

 答えは、ただの湿りによる伸びようとする力のあらわれで、その力は接着剤をも凌駕する・・・ということです。

 また、うませ時間が必要だとわかっていても、すぐにクロスを貼ってしまう職人もいます。その理由もあります。いつかお話したいと思います。



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 次回の更新日は11/14です
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第5回【コラム】クロス貼りはどうやったら上達するか

 むかし、ドラえもんの作者の藤子・F・不二雄に、漫画家志望のひとがたずねました。

 「どうやったら漫画がうまくなりますか」

 「漫画を描き続けなさい」

 巨匠の答えはそれでした。

 クロスも、貼り続ければうまくなります。

 いまはYouTubeがあるので、それを手本にして貼ればいいのです。

 さて問題は、職人でも上手い下手がいることです。

 手先が器用かどうかもありますが、もっと大事なことは、根気です。

 柄物クロスを除くクロスのクレームは、ひとつしかありません。それは、表面に黒い部分がないかどうかです。

 黒い部分とは、汚れやスキマです。白いクロスの場合、表面は白のはずなのです。デコボコによる影も、黒になります。

 表面に黒があると目立ちます。それがクレームというわけです。

 黒をなくすなら、スキマならコーキング、ジョイントならその対策、デコボコなら下地処理が必要です。
 
 それらの対策をコツコツやれば、クレームのない仕上がりというわけです。

 ちなみに、手先が器用というのは、コツコツした作業を苦もなくできるひとのことをいいます。つまり、根気が最初から備わっているのです。

 「オレは不器用だから」と言うひとがいますが、手作業においての根気がないだけです。

 もし、ガンダムのプラモデルをきれいに完成させたら1億円もらえるとしたら、だれもが根気よく作業に取り組むはずです。

 根気があるひとは、たとえ1億円もらえなくても、何かしらのやりがいを自分で見つけて、取り組むことができるのです。

 そういう根気をもとに、よい仕上がりを目指せる人間が、上手な職人です。

 ですから、上手な職人は、だいたい暗い人間です。コツコツチマチマやるからです。

 いかに自分に根気を持たせるかが、職人としての分水嶺です。



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 次回の更新日は11/7です
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第4回【基本技術】手糊!

 しかたなく手でクロスに糊をつける場合、基本はローラーで塗ります。

 ところが、ローラーっていうのは、なかなかのクセモノで、塗り忘れて「スカスカ」だったりします。

 スカスカはまだいいとして、塗り忘れは結構めんどくさいのです。

 そこで、確実に糊付けをする方法に、「クシ」で塗るがあります。

 床に糊を塗るように、クロスに糊を塗るのです。このメリットは、均一に塗れることです。

 「クシの目」が気になるなら、クシで塗ったあとにローラーで「均(なら)す」のもいいですね。

手糊
●糊のクシは、ゴム製のヤヨイ「NP-2000」付属のものがオススメ!



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 次回の更新日は10/28です
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第3回【コラム】クロスは「はがす」か「めくる」か

 地方や親方によって、呼び方がちがいますね。関西圏では「めくる」を使うようです。

 どちらが正しいのかは、じつはどうでもいいことなのです。通じればいいのですから。しかしここは、厳密な意味を考えてみます。

 国語辞典で意味をしらべると、クロスは「はがす」です。「はがす」は取り去るという意味です。「シールをはがす」でわかるとおりです。

 古いクロスを取り去って、新しいクロスを貼る…ということです。

 「めくる」は「ページをめくる」「布団をめくる」というように、「めくればもどせる」という一時的な状態をしめすニュアンが強いです。「取り去る」というニュアンスではありません。

 小学生男子による「スカートめくり」もあります。「スカートはがし」ではありませんよね。それは変態行動になります。

 この2つの言葉は、作業工程でもあります。「めくって」「はがす」ですよね。つまり、取っ掛かりとその後…という感じです。

 そういうことを考えれば、「めくり」も「はがす」もまちがいではないことになりますね。



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 次回の更新日は10/14です
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第2回【基礎知識】パテの上にクロスがつかない理由

 「パテの上はクロスがつかない」

 これは、むかしから言われていることです。

 結論を言うと、パテにつかないのではなく、ペーパー(サンダー)で擦った粉がパテ上に残り、クロスの裏面の糊を「飛ばす」のです。

 パテにクロスはつきます。実際、総パテ(全面パテ)をしてクロスを貼っても、はがれてくることはありません。

 単に「パテにクロスはつかない」と思うのではなく、その理由をしっかり認識することが大事です。

 理由を知らないと、その対策もできないのです。原因は「粉」なので、粉を取りのぞけば、ピッシャリつきます。

 ちなみに、「つかない」という事実は、都合のいいことでもあります。それは、下地を拾わなくさせるからです。

 下地を拾わないということは、クロスの表面がフラットになるということなのです。パテあとを出さないのですね。

 そんな、下地がまったく出ていないクロスの張替えの現場にかぎって、はがすとパテの部分が浮いていることがあります。

 また、パテ上でジョイントをしている場合は、ジョイントが浮き浮きになっていたりします。これも、粉による接着不良の結果なのです。

 前任者は、懸命にペーパーを擦りまくり、それによって出た大量の粉が糊を飛ばし、結果的に下地の露出を防いだのです。

 皮肉なことですが、これもペーパーをする意義のひとつなのです。

 ですから、パテの上でのジョイントは、かならず浮いてきますので、避けるべきなのです。

 しょうがなくジョイントをしたり、総パテの場合なら、ジョイント部分だけ粉を取りのぞく必要があります。水ローラーを転がすだけでも効果はあります。



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 次回の更新日は10/7です
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第1回【コラム】日本にクロス屋は何人いるのか?

 先日、国内のフリーランス人口は300万人とのニュースがありました。いわゆる自営業者や一人親方です。そのうち、1位は建設業で43万人です。

 この43万人の中に、われわれクロス屋がいます。ではその中に、クロス屋は何人いるのでしょうか。

 これは、むかしから気になるところでした。こういうニュースが出たので、クロス屋は何人いるのかを独自で計算してみました。

 建設業と呼ばれる職業は、全部で29種類あります。その中でフリーランスとして働ける職種は、クロス屋も含め、大工、電気屋、設備屋、塗装屋といったところでしょうか。

 また、車1台に仕事道具をつめ込むことができる…といったこともポイントです。内装系の職人に多く見られます。

 外装系は、鳶職や土木工事がおもです。彼らは足場やトラックを複数用意しておかなくてはならず、とても自営業ではまかないきれません。

 つまり、仕事の規模のちがいで、自営業(一人親方)か従業員を抱える会社とわかれるといっていいかもしれません。

 内装系のみならず、外装系でもフリーランスの職人はいるでしょうから、ざっと10種類はいると考えます。そうなると、クロス屋さんは全国に43000人はいると推測できます。

 それを人口比率に落としてみると、東京都に4700人おり、大阪府には3000人、広島県には960人がいると計算されます。

 ただこの数字には、床職人と内装屋も含まれます。それも考慮してクロス屋、床職人、内装屋の3で割ると、クロス屋は日本で14000人がおり、東京都には1500人、大阪府に1000人、広島県に300人ものクロス屋がいることになります。

 多いのか少ないのかわかりませんね(笑)

 全国の工務店は16万社あるとのことらしいので、それに対してクロス屋と床職人、内装屋と合わせて43000人というのも、すこしは納得できそうな数字ですね。

 ※43000人という数字は独自に予想したものです。


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次回の更新日は9/28です
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【お知らせ】開設!

 このたび、町の便利なクロス屋さんの公式ブログを開設します。

 ただ、日記などの近況報告は書きません。技術的なことを中心に綴っていきたいと思います。

 工事の仕上がりなどの写真は、専用のブログがすでにありますので、一般のみなさまはそちらを参考になさってください。

 ちなみに、10年くらい前にもブログをやっていましたが、今回ふたたび開設いたします。

 本ブログは、どちらかというと、職人さん向けの内容になると思います。

 ですから、工事現場や内装工事などの仕事に関係するコラムも書いていきます。職人さんが読んで、すこしでもプラスになるような内容にしていきたいですね。

 また、技術的な深い内容のものは、一般公開を避けるため有料記事になります。お金を支払う価値があると判断できる場合のみ、お読みください。

 よろしくお願いします。

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次回の更新日は9/21です
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プロフィール

インテリアこうち

Author:インテリアこうち
2001年からフリーランスの内装職人。2005年に「町の便利なクロス屋さん」を開設。

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