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建築系職人2.0

町の便利なクロス屋さん公式ブログ。職人による職人がもっと上へ行くための道中記。

第6回【基礎知識】汚れ防止クロスはなぜブクブクになるか

 汚れ防止クロスがきらいな職人はいると思います。貼るとすぐに、ブクブクにふくらむのです。

 原因はかんたんです。それは、「うませ時間」「オープンタイム」が足らないからです。「うませ」と「オープン」は同じ意味です。

 ちなみに、「うませ」とは内包という意味だと思います。糊をクロスに内包させるということです。つまり、糊をクロス(裏地)にしみ込ませるのです。

 しみ込ませるとは、糊(水分)をクロスの裏地に満たせるということです。かんたんにいうと、湿らせるのです。

 「うませ」「オープンタイム」の目安の時間というのは、糊の中の水分による浸透時間と考えられます。要は湿らせ時間なのです。

 糊に含まれる水分により、クロスは伸びます。洗濯物も、濡れているときは伸びますよね。これが重要なのです。その状態が施工のタイミングというわけです。

 そして、ブクブクにふくらむ理由は、まだクロスが伸びきってない状態で施工をするためです。

 クロスを天井や壁に貼りつけると、その場に固定されます。

 一方、クロスはまだ伸びきっていないので、伸びようとしています。伸びた部分が、行き場を失い縦方向に逃げる・・・とうわけです。それがブクブクふくらむという現象になります。

 では、なぜ汚れ防止クロスだけそういう現象こ起こるかといいますと、汚れ防止は一般のビニールクロスの上に、さらにビニールのフィルムで覆われていて硬いのです。

 硬いとはクロスの平面強度の高さです。平面強度とは、平面になろうとする力です。その力が強いので、接着剤の接着能力に勝るというわけです。

 一方の一般ビニールクロスはまだ軟らかく、それこそ柔軟です。平面強度は低く、柔軟なためなんとか接着できていると考えられます。

 どのみち、「うませ時間」「オープンタイム」はビニールクロスにも必要なのです。

 以上が、汚れ防止クロスと一般ビニールクロスの構造をもとに、分析した結果です。

 むかし、ブクブクの現象を「ガスが出る」と真顔で答える職人がいました。「なんのガス?」と聞くと答えられませんでした。

 下地相手はいつものプラスターボードなのに、ガスなどあるはずもありません。

 しかし、だれかが「ガスだ」と言うと、同調してしまうものですね。

 ここに、思考の限界を感じます。自分で考えるのをやめるのです。思考力がないと、自分の知識のみで説明しようとするのです。

 クロス貼りもふくむ建築の工事は、すべては物理で成り立っています。

 もしガスが出るなら、なんのガスなのか、なぜ汚れ防止クロスだけなのか、なぜ一般ビニールクロスは出ないのか。それを比較して考えるべきです。

 うませ時間さえあれば、いわくガスは出ません。なぜ、うませ時間は必要なのか。その理由はなんなのか。クロスの構造もふくめて考えないといけないのです。

 答えは、ただの湿りによる伸びようとする力のあらわれで、その力は接着剤をも凌駕する・・・ということです。

 また、うませ時間が必要だとわかっていても、すぐにクロスを貼ってしまう職人もいます。その理由もあります。いつかお話したいと思います。



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 次回の更新日は11/14です
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プロフィール

インテリアこうち

Author:インテリアこうち
2001年からフリーランスの内装職人。2005年に「町の便利なクロス屋さん」を開設。

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